クールスカルプティングの血清学的評価
2016-01-27
2017-06-24
皆様こんにちは
今日は、表題にもあります
「クールスカルプティングの血清学的評価」についてのお話です
というのも、先日クールスカルプティングをやられる方からの質問で
「今から何か所かクルスカやってこうと思うのですが、4月の会社の検診の時何か影響ありますか?」
と
Good Questionです
結果から言うと何も問題ありません
なぜいい質問かというと、破壊された脂肪がその後どういう経路をたどるか
つまり、破壊された脂肪細胞から血管内に放出された脂肪滴はその後どうなるのでしょうか?
血管内の脂質系の値、中性脂肪やコレステロールって上がらないの!?
っていうのは、素朴な疑問ですよね
今日はそこについて実際にその評価を行った文献を引用してのお話です
故に、いつもみたく軽いノリではないので面白くないかもです
のでご興味のある方だけどうぞ
この文献は2009年のLaser in Surgery and Medisineに掲載されています
クルスカを行う前の日と1日後、1週間後、4週間後、8週間後、12週間後に採血を行い血清学的評価を行いました
(なぜ12週間かというと、クルスカ後に脂肪細胞に起こる炎症は12週間でピークを越えます。クルスカ後の効果が8~12週間位かかりますよとお伝えしているのもこれが理由です)
採血する項目は脂質系は
TG(中性脂肪)
T.chol(総コレステロール)
VLDL(超悪玉コレステロール)
LDL(いわゆる悪玉コレステロール)
HDL(いわゆる善玉コレステロール)
と併せて肝機能の評価(GOT,GPT,ALP,Alb.T.bil)も行っています
なぜ肝機能の評価かというと、仮に血中の脂肪が上がったとします
すると脂肪肝になり肝機能が悪くなるのではという想定の元です
21歳~66歳の成人40名に行いました
脇腹の脂肪に対しクルスカを行っています
因みにクルスカの脂肪層の減少は、写真や目視といったビジュアル的な変化と
エコーにて脂肪層の厚みを測定しています
で、採血の結果はというと
血中の脂質および肝機能の平均値は12週間の経過のどの時点でも有意な変化はられなかったと
結論しています
コレステロールとGOTの推移
中性脂肪とGPTの推移
考察としては、脂肪冷却溶解術後の脂肪の血中への放出は非常に遅いスピードで起こる事から
血中濃度が上がるレベルの変化は起きていないという事です
そして肝臓への影響もないとの事です
あー良かったですよね
機器をつかった痩身治療では、この治療後の脂質系の血行動態が非常に重要になってきます
実際局所で破壊された脂肪はどこへいくのか?
血中に逸脱することで、脳梗塞などの血管系のイベントは起こさないの?とか
当然考えるべきことです
言えるのは、血中に放出されるのはとってもゆっくりとした変化で急激な血管内への脂肪の移動は起こっていない
故に脂肪塞栓などの急激な変化は起こさないという事
長期的に見ても、普段からコレステロールが高く動脈硬化が進み易い方だとしても
血管系のイベントを起こすくらいに、血管の内腔が狭くなるのは何十年という経年変化の後です
痩身治療を行ったからといってそのリスクがあがるというのは理論上、危惧しなくてもいいのかなと思います
安全で安心な痩身治療
見た目のダウンタイムだけが全ての評価ではありません
身体に起こりうるあらゆるリスクを想定してクリアしてこそ安全と言えるものですね
健康あってこその美容ですからね
健やかに美しくなりましょう