ヒアルロン酸は元々、眼球、皮膚、膝の関節といった我々の体内に存在する物質ですので、
注入する事は問題ありません。
ヒアルロン酸製剤は、色々なメーカーから沢山の種類の製剤が発売されています。
またその、硬度によっても様々なバリエーションがあり、目回り用や頬用、ほうれい線用、唇用、鼻や顎の輪郭形成用などその用途に応じて硬さを使い分けて使用します。
持続期間もそれぞれ異なります。
短いものだと1か月~3か月、長いものだと6ヶ月~2年位効果が持続します。
沢山ある製剤の中から、どの製剤を用いるかは医師自身が選択するところで、
粘性や弾力、注入後の成形性(仕上がりの良さ)、持続期間、シリンジからの押し出しやすさ(滑らかさ)等、あらゆる観点で比較して決定していきます。
ヒアルロン酸製剤の種類
世の中には何百種類のヒアルロン酸製剤が発売されていると言われています。
その中でもよく日本国内で目にするものを以下に紹介します
このうち、アラガン社の「ジュビダームシリーズ」とガルデルマ社の「レスチレンシリーズ」が国内の承認を得ています。当院では主に以下の2種類のヒアルロン酸を使用しています
当院で使用している主なヒアルロン酸
ジュビダームビスタシリーズ
「ジュビダームビスタウルトラ」「ジュビダームビスタウルトラプラス」は2014年に国内初の製造販売承認を取得したヒアルロン酸製剤です。 2016年には「ジュビダームビスタ ボリューマ」、2018年には「ジュビダームビスタ ボリフト」が承認を取得しました。承認部位に関してはこちらの製品を用いて行っています。
テオシアルシリーズ
目周りや、唇などはテオシアルのリデンシティシリーズを使用しています。ビタミンやミネラルといった美肌成分も混合されているのも特徴です。
ヒアルロン酸注射の適応について
次にヒアルロン酸注射の適応部位のご紹介です。
ヒアルロン酸注射はしわを直接埋めたり、リフトアップさせたり、凹みをふっくらさせたり、
鼻や顎のシャープなラインを作ったりと短時間で様々な効果を出すことができます。
ヒアルロン酸注射が効果的な部位を下に示します。
- 1 額の凹み
- 2 こめかみの凹み
- 3 目の下の凹み
- 4 頬の凹み
- 5 ほうれい線
- 6 鼻筋を通す
- 7 唇をふっくらさせる
- 8 顎を尖らす
上記がヒアルロン酸注射の適応部位になってきます。いわゆるボリュームの減少した部位を補う目的で使用する場合がほとんどです。それ以外にも鼻や唇、涙袋といったプチ整形として使用したりもしますが昨今は注入法が見直されヒアルロン酸を使用してリフトアップさせたり小顔に見せたりと様々な効果を出せるようになりました。そういった注入法をご紹介する前にまずは老化のメカニズムを知る事が重要になってきます。次に老化のメカニズムについて少しお話します。
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ハーフ
55,000円
1本
88,000円
1本半セット
143,000円
2本セット
167,200円
3本セット
237,600円
同日4本目〜
77,000円
老化のメカニズム
「老化のメカニズム」についてです。
加齢に伴い私達の顔面では「骨の萎縮・後退」「筋肉の拘縮」「脂肪の萎縮・下垂」「皮膚の弛緩」
といった現象がそれぞれ同時進行で起こってきます。
老化現象の一つである「たるみ」と言っても
以前は皮膚が延びて弛緩するだけと考えられていましたが、皮膚だけの問題ではなく
その内側の、骨、筋肉、皮下組織(脂肪など)にも変化が起きて生じるのです。
-
骨
損失・後退
-
筋肉
肥大・拘縮
-
皮下組織
減少・下垂
-
皮膚
弛緩・しわ
そして注入治療を行う上で注目すべきは特に「骨」の変化です。
例えば、骨粗鬆症で見られるように年齢と共に骨吸収が生成を上回り骨はもろくなってきますよね。
顔面の骨も同じように痩せて縮み後退していきます。
- 1 側頭部の凹み
- 2 眼窩の拡大
- 3 梨状孔の拡大
- 4 前頭部の凹み
- 5 頬骨の凹み
- 6 顎突起の減少・短縮
顔面の骨が痩せボリュームの減少により加齢が進んだ顔貌へと変化すると、
全体的に凹凸のある影のある顔貌へと変化していきます。
- 全体
- 陰や凹凸のないスムースな表面
- 額
- 丸にもある女性らしいフォルム
- 頬
- 持ち上がったトップ滑らかな曲線
- 顎
- シャープ
- フェイスライン
- シャープなVライン
- こめかみ
- へこみ、
ピーナッツ型、ひょうたん型 - 目の周り
- くぼみ、
影が入りクマのような溝が出現 - 頬
- 下方へ垂れさがる
- 顎
- 平坦になり内側へ入り込む
老化のメカニズムはご理解頂けたでしょうか?
ここで少し余談ですが、老化によってお顔はバランスを崩し「美しさ」を失っていきます。
逆にバランスを整えてあげると、若返るだけではなく「美しく」変化します。
目や鼻、唇といったパーツの美しさも大事ですが、
お顔が美しく見えるかどうかはそのパーツがいかにバランス良く配置されているかです。
その配置は黄金比または白銀比、エステティックラインといった比率でも定められています。
そしてパーツを包む輪郭は「頬は丸みを帯びてフェイスラインはシャープに」といったハートシェイプフェイスあるいはオーバルフェイス(卵型)、フェイスラインはVラインが理想とされています。
我々が患者様のお顔を仕上げていくときの目安はこういった「美」の基準を意識しながら作り上げていきます。
次に注入法のご紹介です。
ボリュームを補うのが主にヒアルロン酸の得意とするところですが、最近は溝や凹みを持ち上げるだけでなく、ヒアルロン酸でリフトアップさせる手法も人気です。ヒアルロン酸の注入方法は、ここ十年で大きく変化し、進化してきています。次はその注入法の変遷をご紹介します。
ヒアルロン酸の注入法の変遷
ヒアルロン酸注入法は近年大きく変化してきています。
初期の頃は「しわ」を直接埋める方法が主流でした。
その後、ボリューマイジングといってボリュームが減少した部分をヒアルロン酸で充填(スペースを埋める)する方法が出現しました。
そして現在は、解剖学的な老化現象に基づいた立体的なアプローチが主流になってきました。
これによりメリハリのある立体的な顔立ちを作る事ができるようになりました。
立体的なアプローチ
立体的なアプローチはこの先に述べた老化のメカニズムのうち特に「骨の萎縮・後退」を補うように考えられた手法です。
頬骨に付着している支持靭帯は顔面全体を支えています。頬骨が痩せてくるとその靭帯も緩んできますので、緩んだ靭帯を張り直すイメージでそこに支柱を立てる様にヒアルロン酸を注入するといった考え方です。右の図のように支柱をヒアルロン酸に見立てると、ゆるんだ靭帯をピンとはり直すことができます。これにより、全体のタルミを改善しつつ気になるシワを治療していく事が可能となりました。例えば、ほうれい線が気になるといってヒアルロン酸注入を行う場合、直接ほうれい線の溝を埋めてもバランスの良い仕上がりにはなりません。頬がぼてっとした重たい印象を与えてしまいます。
まずはほうれい線の原因となっている頬のタルミを持ち上げ一段ほうれい線を薄くし残った溝を埋めてあげると、使用するヒアルロン酸の量も少量で済み、バランスの良い顔立ちになります。
ヒアルロン酸で
シャープにメリハリ美人!
こめかみ、目の下、ほうれい線、マリオネットライン
40代女性。本人は目の下の小じわを気にして来院。ご本人の訴えている部位以外にも、ほうれい線マリオネットラインといったたるみのサインも見え始め、またこめかみのボリュームが落ちてきてピーナツ型の輪郭になりつつあったので全体のバランスを整えるようヒアルロン酸注入を行いました。
全体的にシャープになり、お顔の重心が上がりほうれい線マリオネットラインが改善しました。
またこめかみに注入し輪郭を矯正したことで小顔効果も生まれました。
また鼻筋を少し通したことでメリハリのある顔立ちになりました。
横から見ても、フェイスラインがシャープになりほうれい線マリオネットラインが薄くなりました
- こめかみ
- 目の下
- ほうれい線
- マリオネットライン
- 頬骨のリフトアップするポイント
にヒアルロン酸注入を行っています。
帰宅したら中学生の息子に「なんかママ綺麗、化粧変えた?」
と言われました。満足しています。
ボトックスとヒアルロン酸の
W攻め!
細かなシワはボトックスで調整すると2つの効果が合わさり劇的な効果を生むことができます!
頬のたるみとほうれい線
30代女性。頬のたるみとほうれい線を気にし、全体的にすっきり見せるためにヒアルロン酸とボトックスを注入
頬骨のリフトアップするポイントにヒアルロン酸を注入し全体の重心を上げたのちほうれい線を埋めるようにヒアルロン酸を注入しました。
また、口角を下げる筋肉と顎先を丸める筋肉にボトックスを打ち、更に顎先にヒアルロン酸を注入したことでスッキリとしたフェイスラインになりました。
重く見えていた頬のたるみと厚みが改善しました。
- 頬骨のリフトアップするポイント
- ほうれい線
- 顎
にヒアルロン酸を、
- 口角下制筋
- オトガイ筋
にボトックスを注入しています。
今までにあらゆるたるみ治療を行ってきた中で一番効果が
ありびっくりしました。
顎のラインが特に気に入っています。
目元もパッチリ、フェイスラインの
もたつきも改善!
目のかぶさりと目の下のくぼみ、フェイスライン
40代女性。ご本人は右目のかぶさりと目の下のくぼみを気にして来院。ほうれい線、マリオネットラインのたるみのサインも出始め、顎周りが平坦になっていきていたのでフェイスラインを整えるようにヒアルロン酸注入を行いました。
右目の被さりが改善し、目がぱっちりとしました。
またほうれい線マリオネットラインも改善しお顔のももたつきが改善しました。顎周りを整えたことでシャープな顔立ちになりました。
- こめかみ
- 眉毛の外側(尾部)
- 頬骨のリフトアップするポイント
- 顎
にヒアルロン酸を、
目が開けやすくなって、
気にしていた目の下のたるみも良くなりました。
全体的に若返って満足しています。
─ KUMIKO CLINIC流 ヒアルロン酸注入 ─
ヒアルロン酸を多く注入しても
お顔は小さくシャープなメリハリのある顔立ちへ
それには、「ヒアルロン酸を入れすぎてパンパンになった」とか有名女優の「顔面崩壊」など揶揄されるメディアの報道があったりとそういった背景を受けて変遷してきたのです。
私も過去に、自分の顔に注入してボリュームが出すぎて溶解したりと苦い思い出もあります。
昨今の新たな注入法の出現により、現在はそういった事はほとんど起きなくなりました。
解剖学的に理にかなった適切な位置に、適切な製剤を適切な量注入すればそういった事態は防げます。
よく患者様から「ヒアルロン酸を入れすぎると顔が大きく見えるのが心配」という声を聞きます。これは不適切な位置・深さに不適切な製剤を注入すると起こりうる事です。
的確な方法で行うと、ヒアルロン酸を多く注入しても逆にお顔は小さくシャープなメリハリのある顔立ちへと仕上げることができます。
何か起こった時に迅速に対応してもらえる環境で行いましょう
そしてヒアルロン酸注入の際は、血管の合併症など注意しなければいけない点もあります。
解剖学的な知識を踏まえた上で注入を行わないと重篤な合併症を引きおこす事にも繋がります。
万が一そういった事態に陥った時何よりも重要なのが、いかに速やかに対処するかです。
事前にそういった説明を十分に受け何か起こった時に迅速に対応してもらえる環境で行いましょう。
メスを使わずその人本来の要素を崩さず「美人」に
美意識は人それぞれ異なりますが、私の目指すゴールは「自然な美しさ」。
他の誰かになるのではなく「自分のベストな状態をキープする」「-10歳ではなく-5歳の若返り」です。若返り過ぎても美しくありません。年相応の美しさは何よりも重要なポイントです。
目や鼻や口の形は皆それぞれ違いますが、それらを作り変えなくても、それぞれのパーツの配置のバランスを少し変えるだけでぐっと美人に見せることはできます。
外科的なダイナミックな技術でなければ成しえない結果もありますが、私はなるべくメスを使わずその人本来の要素を崩さず「美人」に作り上げたいと思っています。
「メスを使わない治療」にこだわり続けていきたいと思います。
美容医療を受けられる方には「注射系は怖い」というイメージを払拭し、ちょっとのお直し感覚でヒアルロン酸注射を取り入れて頂けたらなと思います。
KUMIKO CLINICの信条
当院が皆様にお約束できることとして、以下の3つの信条を掲げます。
- 特別な人だけが受ける特別な医療ではなく、誰でも気軽に受けられる美容医療を提供すること
- 必要な医療とそうでない医療を適切に判断し「自分の家族にもうけさせたい美容医療」を提供すること
- 医学的根拠に基づいた、結果の出る美容医療を真摯に届けていくこと
KUMIKO CLINICにご来院いただいた全ての方が満足いただけるようスタッフ一同これからも精進して参ります。
今後もお気軽に足を運んでいただけましたら幸いです。
トータルビューティーのために
その方の生き様を反映するお顔立ちがより健やかに美しいものであって欲しい、
そんな願いを込めて女性同士だからこそ共感できる悩み、共有できる感性を
大切に一緒に「美」を追求していけたらと思っております。
お顔からお身体まで、一緒に「健やかな美」を追求していきましょう。
クミコクリニック 院長 下島 久美子
ヒアルロン酸以外の皮膚充填剤について
皮膚を充填する製剤を皮膚充填剤、filler(フィラー)と呼んでいます。ヒアルロン酸も皮膚充填剤に含まれますが、充填剤にはヒアルロン酸以外にも複数存在します。
例えば、カルシウムハイドロキシアパタイトを原料とした製剤、ヒト由来のコラーゲンを原料とした製剤など成分を元に様々な充填剤が作られています。それぞれ持続期間や仕上がりの感じ、適応が異なります。
こういった製剤と、ヒアルロン酸との大きな違いは「溶解できない」という事です。
万が一、仕上がりが気に入らなかったり合併症を引き起こした時に、溶解することができないので、初めての注入治療を受けられる方、また初めての施設で行う方はまずヒアルロン酸で行う事をお勧めします。