【Dr. Mayuko blog】ボトックスに関するご質問にお答えします
2025-06-25
こんにんちは、橋本です
梅雨入りという言葉は幻だったのかと思うほどに真夏な日々ですが、早くも夏バテ気味の方はいらっしゃいませんか?
私はというと夏バテにはなっていませんが、ある日朝起きたら右肩に違和感が。
カーテンを開けようと腕を上げようとしたら上がらない!というか激痛!
数年前にも同じ症状で整形外科に行った記憶が蘇り、またかと愕然としました。
そう、これは紛れもなく“四十肩“!
誰がこんなダイレクトに老いを感じさせる名前をつけたのか。
的確すぎてそのネーミングセンスに脱帽です。
がしかし、そんなところに感心している場合ではないのです。
これでは仕事にならない!
湿布をして痛み止めを飲み、肩に氷嚢をのせ、さらには保冷剤を鎖骨辺りに巻きつけとにかく冷やす。
その出立は完封勝利を決めたピッチャーの様ですが、私の心は満塁ホームランを決められ成す術もなくマウンドに立ち尽くしている気分。
一人では着替えもできずもはや要介護。
老後はこうやってお互いをケアしながら生きていくのかと、
遠い未来の様に思っていた老後が突然現実味を帯びてきました。
娘たちには絶対に世話にならないと固く心に誓っている夫。
つまりは100%私に降りかかってくるのかと、将来について改めてプランを練り直そうと思った梅雨の中休みでした。
さて、そろそろ本題に入ります。
今回は、ボトックスに関するよくある質問にお答えしようと思います。
ボトックス希望で来られる患者様がとても多いのですが、初めての方も他院で既にボトックス治療をされている方もいらっしゃいますが、皆さん気になることや不安なことは大体同じです。
ですので、今回はよくある質問にお答えしようと思います。
その前に、まずボトックスとは?というところからお話ししていきます。
ボツリヌストキシンはClostridium botulinum菌が作り出す毒素です。
これが神経筋接合部に働きかけ、筋肉が動かなくなったり汗が出なくなったりします。
毒素というとなんだか怖いイメージがあるかもしれませんが、ご安心ください。
医療用に使用する製剤は厳格に管理されており適切な使用方法で使用する限りは安全です。
Botoxは30年以上にわたって何百万の患者様に使用され、
5500以上の文献が出ており、長期にわたってその安全性が検証されています。
では質問にお答えしていこうと思います。
Q1. 表情が不自然にならないか
これは圧倒的に多い質問です。
表情が不自然にならないように、まず打つ前にしっかりと筋肉の動きを見ていきます。
そして、特に初回の方は弱めに注入し、2週間後に診察に来ていただき止めたりない所があれば追加で注入していきます。
顔にはたくさんの筋肉が小さなエリアに密集していて、重なったりバランスを取り合ったりしながら動いています。
ボトックスを打つときにはしわや動きを止めたい筋肉にしっかり効かせるように打ちますが、打っていない部位にも影響が出ることがあります。
色々な影響を見越して打ってはいきますが、それでも人それぞれ筋肉の使い方は違うので最初から100%の効果を出すことは難しいです。
逆に一回で100%の効果を出そうとすると思わぬ副作用が出てきたりもするので、初回の方の注入は慎重に行なっています。
Q2. ボトックスが効きすぎた場合はどうしたらいいか
ボトックスが効きすぎた場合に効果を完全に打ち消す治療はありませんが、顔の筋肉はお互いにバランスを取り合って動いているため、別の筋肉にボトックスを打つことで改善することもあります。
そして、ボトックスは数ヶ月で効果が切れるため、効きすぎた場合も1〜2ヶ月で改善してきます。
Q3. 効果はどのぐらい持続するか
ボトックスの効果は3〜7日ほどで出始め、3〜4ヶ月ほど持続します。
突然効果が切れるわけではなく徐々に戻ってくるためこのぐらいの時期になるとなんとなく気になってきます。
効果の持続時間は打ったボトックスの単位数が多いほど長くなりますが、たくさん打つと効果も強く出てしまいますので、その塩梅はご相談ください。
ボトックスは打ち続けないとダメですか?とご質問いただくこともありますが、効果の持続は永遠ではないため、切れてきたら再度注入が必要になります。継続して打ち続けることでボトックスが効きにくくなることもないですし、安全性にも問題はありません。
Q4. 継続して治療すると抗体ができるか
ネットやSNSなどでも話題になっていたりして、これもご質問いただくことが多いです。
3万例を対象に抗体産生について調べた文献では中和抗体発現率は0〜1.4%と非常に低いデータが出ています。
さらに、ボトックスは保険診療でも使用しますが、保険診療で使用する場合は一度に使う単位数がとても多いため抗体ができる可能性は低容量に比べ高くなります。それに比べ美容医療では、一度に使う単位数は少なく、抗体ができにくいのです。
同じ文献で、美容医療に使用した場合のみを抽出したところ、抗体陽性となったのは0.4%とさらに低い数値となり、さらにその後抗体陽性を維持した症例は0%となったと報告されています。
抗体ができる確率もとても低いですが、抗体陽性になったからといって効果が出ないわけではなく、この文献では、最終的に効果がなかったのは0.05%というデータとなっています。
このデータを見てもわかるように、実際に抗体ができて、かつ、効果が出なくなることは適切にボトックス治療を行なっている限りはほぼありません。
抗体ができて効果が出なくなったので代わりの治療はありますかとご相談いただくこともありますが、その場合はまず、適切な量を適切な部位に打っているかを考えます。ほとんどの場合は抗体が原因ではなく打ち方を変えることで効果を実感していただけるかと思います。
Q5. ボトックスでたるむことはありますか?
ボトックスで弛む可能性がある部位としては咬筋にボトックスを打って筋肉を小さくすると、皮膚のストッパーがなくなり口横の方にたるみが出ることがあります。ただ、たるみは嫌だけど食いしばりや歯軋りを少しでも軽くしたいという場合はボトックスの量を調整しながら打つことでたるみを最小限にすることはできます。
その他、目周りにボトックスを打つ際に下の方に打ってしまったりすると笑ったときに口角が上がりにくくなり弛んだような印象になることがあります。
今回はボトックスに関するよくある質問にお答えしました。
その他、気になる事やご不安なことがあればカウンセリングの際にご質問ください。
≪ブログ監修≫
KUMIKO CLINIC
医師 橋本繭子
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