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失敗しないクリニック選び その③ アフターフォローについて
2017-08-23
2017-11-18
皆様こんにちは
3部作いよいよ完結編です!というほど盛り上がってもいないかもですが(笑)
その前に、今週のクリニックのお花はグリーンが基調です
この時期は、暑さでお花の持ちが悪いのでなかなか管理が難しいのですが
今回は暑さをうまくしのいでくれそうなアレンジです
さて、話を戻しましてシリーズ3部作完結編「失敗しなクリニック選び」
それまでのお話はコチラをご覧ください
ブログ① 「失敗しないクリニック選び~医師のセンスについて~」
ブログ② 「失敗しないクリニック選び~星付きレストランかファストフードか~」
軽くおさらいですが、注入系をする上でのクリニック選びには
施術する医師のセンス
使用する製剤
カウンセリングまたはアフターフォローの体制
が重要です
今日はその
施術を受けた後、何かあった時にどう対応してくれるかは事前に知っておくのは非常に大事です
施すのはあくまでも生身の人間に対して行う「医療」ですから医療に100%はありません
ので、勿論、施術を受ける前にそのリスク、起こり得る合併症、仕上がりの程度など予測される範囲でお話はするようにしていますが
実際に不測の事態が起こった時にどうするかは非常に重要です
例えばボトックス注射で例を挙げるなら
「効きすぎてしまった場合」や「打つ前より人相が悪くなってしまった場合」
などがよく聞く例です
前者の「効きすぎてしまった場合」は、特に問題になる部位は額や目周りです
額の場合、眉毛が下がって目が開けにくく重いと感じます
目周りの場合、笑顔がつくりにくく突っ張った感じがします
私は、そうならないように「足りなきゃ足す」というスタンスで初回はなるべく少なめに打ちます
が、
それでも効いてしまった場合は、一時的に温熱系の器械でその部分の筋肉のトーヌスを上げる様対処します
因みに、これは先輩Drに聞いたり、それに基づいた私の経験上の対処法です
10年近くボトックス注射を行ってきて2例そういった事例が過去にありました
最初の効き始めの辛い2週間をそういった施術でアシストすると、患者さんは楽になるようです
2週間過ぎると、お顔が馴れてきますので問題なく経過していきます(過量に打ち過ぎるとその期間は長くなってしまいます)
後者の「打つ前より人相が悪くなってしまった」は眉間のボトックスなどで起こり得ます
眉間の特に内側に効き外側の効きが弱いと、眉尻側がぴょんと上がり「スポックブロウ」といって怒ったような眉になってしまいます
こんな感じ
サンダーバードのスポック船長に例えられています
この場合、眉尻の方に少し追加で打ってあげると解消します
この様に顔面に打つ表情筋のボトックスは、筋肉同士が直接引っ張り合うように存在するため
こっちの力が弱まると、あっちの力が強まりと拮抗して症状が出る場合がありますのでそれを想定した打ち方をする方がベターです
起こってしまったとしても、矯正できる術を持ったDrに行ってもらう方がベターでしょう
次にヒアルロン酸注射です
ヒアルロン酸注射の施術後に起こる嫌な事と言いますと
「仕上がりが気に入らない」や血管系の合併症です
まず前者の「仕上がりが気に入らない」は原因は事前のカウンセリングによるお互いの仕上がりのイメージの擦り合わせ不足がほとんどです
患者さんが思い描いている結果と、Drが思い描いている結果が違ってしまった場合
それ以外には、ヒアルロン酸はその性質上、注入直後よりも後日の方がボリュームが増しますので「腫れた」「凹凸が気になる」「左右差が気になる」
などといった事が後から生じる場合もあります
これらは、いずれも対処はできます
ヒアルロン酸は「ヒアルロニダーゼ」という溶解酵素があるのでそれらで調整する事ができます
私の経験上、こういった症状はもし出現したとしても注入後1~2週間位して製剤が組織に馴染んで来れば消失する事がほとんどなのでなるべく溶かさず様子をみますが
それ以降経っても気になる場合は行います
左右差が気になるという場合は、左右バランス良くなるよう少量追加注入します
(余談ですが、人の顔は元々左右非対称です。左右を揃えるのは必ずしも成功ではありませんので、その辺をお話した上でです)
もう一つ、血管系の合併症について
顔面の血管は、網の目の様に細かく走っていますが中でも危険とされているエリアが存在します
顔の中心部、ほうれい線基部や鼻背、眉間などです
ヒアルロン酸による塞栓症状(血管が詰まってしまう)や圧迫による症状です
こんな話をすると怖くなってしまうかもしれませんが
これらの症状は、起きないに越したことはありませんが、起きた時にいかに迅速に適確に対処するかによって予後が大きく変わります
予後と言うのは何もなかったように戻るか、後遺症を残すかといった事です
症状が出現してからの24時間~48時間が治療を施すゴールデンタイムと呼ばれていますので、術後何か心配な事があったらすぐにクリニックに連絡する事をおススメします
そのまま様子を見ても良い症状かすぐに対処した方が良い症状かの判断を仰ぐことがとても大事です
月並みな言い方ですがそういった時に、あらゆる可能性を念頭に親身になって対応してくれるかどうかは非常に重要です
またまた長くなってしまいました、かつ今日は、ちょっと怖い話もしましたが
とは言え、ヒアルロン酸注射もボトックス注射も手軽に劇的な変化をもたらす今や美容医療の王道です
私も全てを知った上でもやはりその効果に魅了されやめれません
友人や家族にも自信をもって勧められる、勧めたい治療です
皆さんの周りには美容クリニックの情報があふれているかと思いますが
情報に流されることなく、自分で取捨選択し美容賢者になってくださいませ