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新しいECM製剤と新しいTCAピーリング剤のお話その①
2022-06-11
皆様こんにちは
先日の日本美容外科学会で新しい製剤の講演をしてきました↓↓↓
使用したスライドを抜粋しながらご紹介していきます
既に私の外来におかかりの方はECM製剤という言葉をよく耳にしているかと思いますが
当院でいうスネコスですね
いわゆる最近の流行の肌育治療系です
因みにボライトやプロファイロはまた違う定義です(最近この手の治療が多すぎて混乱しますよね。そこら辺は改めてご説明します)
ECMというのは日本語にすると細胞外マトリックス
細胞を支持固定する役割で、身体中に存在しますがだいたい疾病の7割はここの異常と言われています
皮膚も同じく、ECMを構成する主な成分(コラーゲン・エラスチン・水分)の喪失で老化していくと言われています
ので、ECM製剤の定義は非架橋のヒアルロン酸とアミノ酸(線維芽細胞を刺激してコラーゲン・エラスチンを作り出すもの)が配合されたものとされています
と、難しい話は置いといて
今回私が講演したECM製剤には更に美白作用を促す成分が加えられました
そしてそれと相性の良い相乗効果を高めるTCAピーリング剤をご紹介しました
私がECM製剤に出会ったのは約1年前スネコスを使用した時です
形の変化にこだわる派でしたので、写真で見た目の変化が出にくい肌育治療や肌質改善系の治療は何が変わったの!?と正直懐疑的な気持ちでいたのですが
実際にスネコスを使用してみて、その患者様の満足度の高さに驚きました
受けた方ほぼ全員が満足する、効果を感じてくださる、このブレない結果ってすごいな
と
そこからECM製剤に興味を持ち始めました
そんな矢先に、この製剤で臨床試験を行って欲しいとの依頼を受け、今回の学会でのローンチに至ります
昨年の秋ごろから試験を開始し、色々な症例で検証していきました
このブログではその結果を抜粋してお伝えしていきます
まず、新しいECM製剤の名前は「Neofound(ネオファウンド)」という製剤です
メーカーはその効果を❝バイオスティムレーション❞と呼んでいます
線維芽細胞を刺激してコラーゲン・エラスチンを作り出すそんな「構造物を新たに刺激する」プロセスをそう呼んでいるようですが(そこのネーミングは正直どちらでも良いです笑)
その成分をかいつまんでお話しすと、ベースとなる非架橋のヒアルロン酸+アミノ酸に抗酸化力の高いレスベラトロール・ナイアシンアミド・アセチルシステインが入っています
この3つの成分は、抗酸化作用が強くよくサプリなどに入っていてご存知の方も多いかと思いますが
注射製剤に入っているのは珍しい様です
そして今回コンビネーション治療で提案したTCAピーリング剤は「PMP(ペパーミントピール)」と呼ばれるものです
TCAピーリング剤はマッサージピール等と呼ばれ昨今のトレンドです
現行品はTCA33%という濃度がほとんどですが
PMPはTCAの濃度が11%と19%とかなり抑えられました
と同時に、乳酸やグリコール酸といった浅層にも働きかけるフルーツ酸が配合されました
保湿成分もたっぷり入っていますので、直後からしっとりモチッとした仕上がりです
そして名前の通りペパーミント由来のメントールが入っていますので
清涼感とペパーミントの香りでアロマテラピーの様な効果もあります
いうなれば、従来のTCAピーリングが刺激感が抑えられマイルドになったというところでしょうか
TCAのあの刺激感が好きな人には物足りないかもですが、私はあの刺激が苦手でしたので程よく着地して好きです
こんな感じでネオファウンドの注射の後に同日に続けてTCAピールを行いますが、刺激感が抑えられているが故に問題なくできます
さて
ここから当院で行った臨床写真の結果を供覧していこうかと思ったのですが
既に1500文字
長くなりましたので、次の回に持ち越させてください
恐らくこの話その②、その③と続きます
最後にNefofound+PMPの効果をざっくりとまとめておきますが
です
深部の構造を整え最終的に残る皮膚のエイジングのサイン全般に効いてきますね
次回は症例写真をご紹介していきますね
お通いの患者様より頂きました
お心遣い頂きありがとうございます
≪ブログ監修≫
KUMIKO CLINIC 院長
下島 久美子
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